JavaOne 2012 San Francisco 最終日
JavaOne5日目、ついに最終日を迎えました。
昨年はKeynoteが毎朝のように1時間半ずつあったのに対して、今年は初日の夕方にStrategy Keynote、Technical Keynoteを終えていたため、全体的なビジョンを押さえた上で個々のセッションに集中できるように配慮されていました。そして最終日は、前日のトレジャーアイランドでのイベントの翌日という事もあり、朝はちょっと遅めの9時から、Community Keynoteでスタートするという、参加者に優しい(?)スケジュールでした。以下、内容まとめです。
- Community Keynote
- 各国で活動するユーザグループに対して、感謝の意を伝え、今後も一緒に頑張りましょう、という会でした。ロンドンやブラジルのユーザーグループの活動を中心に紹介されていました。
- Keynoteの中盤でサプライズ!Javaの父、James Goslingが登場しました!Goslingの行っている洋上からの環境測定プロジェクトが、Javaを使った面白いプロダクトに送られるDuke Choice Awardに選ばれたための講演とのことでしたが、会場は大盛り上がり!Sunのロゴが入ったTシャツを来てくる皮肉を効かせつつ(?)、最後は伝説のTシャツ投げまで行われました。”まさにこれがあのJavaOneかー!”と思った瞬間で感動しました。ぶれぶれな写真
- [CON11546] Using the New javax.cache Caching Standard
- JavaEE7に含まれる予定のJSR107(Java Cache Standard)についての講演でした。
- 現在バージョン0.5が出来上がっており、来月には0.6を出す予定で、Java6があれば、JavaEEでなくても任意のコードに組み込む事が可能とのこと。
- このキャッシュ機構が提供する機能としては、ConcurrentMapのようなAtomic性、イベントリスナー、統計取得、ジェネリクス、またオプションで、トランザクションやアノテーションベースでのキャッシュ機能があるとのこと。
- JSR347(Data Grids for the Java Platform)との関係は、JSR347はJSR107に依存していて、その上にデータグリッド機能を追加している形になっているそうです。なお、JSR107はJavaEE7に入りますが、JSR347はまだ策定中です。
- [CON7042] Building HTML5 Web Applications with Avatar
- HTML5で提供されるWebSocketなどの技術を活用し、レスポンシブなサイトを構築するためのフレームワークである、Project Avatarの概要についてのセッションでした。今回のJavaOneでは、最も先進的かつ実験的な内容を扱うプロジェクトのひとつだと思われますが、それだけにその内容に、今回のJavaOneの中で一番面食らったセッションでした。。
- Avatarは、JavaScriptをJVMの上で動かすというProject Nashornを活用して実装が進められており、クライアント側は、データバインディング、ナビゲーション、ローカルストレージなどのコントローラの機能が提供され、サーバ側では、ルーティング等の機能が提供されます。記述はXMLにJavaScriptが組み合わされ、JSFなどで使用するEL式も使われます。サーバ側コードの例 かねてからのJavaエンジニアにとっては、けっこう衝撃的な文法ではないでしょうか?!
- ただ、これによってできるHTML5でできたWebサイトは、サーバとのやり取りは非同期通信、WebSocketなどを通じてサーバからのプッシュ配信も可能、Ajaxでのページ切り替えに対しても各々の状態にURLが振ってあってブラウザバックが可能、等々、いわゆるレスポンシブデザインが実現されていました。画面周りはHTML5でモダンな感じにでき、サーバの深い部分はJavaEEのアプリケーションコンテナや多数のAPIなどの資産を活かせるので、記述やデバッグが容易になるような工夫が十分にされれば、流行って行くのかもしれません。
全日程終了後は、日本人参加者での打ち上げということで、カニパーティーが催されました。写真 これは毎年恒例だとのことで、美味しいカニを食べながら、多くの初めての方とお話しさせて頂く事ができ、とても刺激になりました。(正確には、カニを食べだすと静かになっちゃうのですがw)とても良い思い出になりました。
今回のJavaOneでは、JavaOne自体にはサプライズは多くなかったものの、個人的には勉強になった部分が非常に多くあり、近々それもまとめたいと思います。
参加された皆様、とてもお世話になりました!本当にありがとうございました!